【中医学解説】経血に混じるかたまり(経血夾塊)

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概要

経血夾塊(けいけつきょうかい)とは、月経血にレバー状の血塊が混じる状態を指す。気血のめぐりが悪く血が体内に停滞すると月経血に塊が混じるようになる。中医学には「不通則痛」という原則があり、経血の流れが滞ると痛経を伴いやすく、血塊排出後に痛みが和らぐこともしばしば見られる 。
経血夾塊の発生メカニズムとしては、血瘀の状態を招く要因が関与する。寒邪の侵入・過度な冷えは血を凝縮させる。一方、気虚あるいは気滞によりに推動力が低下すると血行を十分に促せず血塊を生じる状態をもたらす 。また、湿熱が下焦に滞る場合も、衝任脉や胞宮において血と絡み合い瘀血を生じ、血塊や疼痛の原因となる 。このように、経血夾塊の病因病機は気滞、寒凝、気虚、血虚、湿熱など多岐にわたり、それらが衝任脉・胞宮といった婦人科の主要部位で血行阻滞を起こすことで発現する 。
病位は主に胞宮および衝脈・任脈の領域にあり、肝経や腎が密接に関与する 。肝の疏泄障害は気滞血瘀を招き、腎の虚損は血の生成・温煦不足により瘀血を生じやすくする。

弁証類型

経血夾塊を伴う月経異常や痛経は、その病因病機に応じていくつかの代表的な証に分類される 。

気滞血瘀

主な症状: 情志失調やストレスにより肝気鬱結が生じたタイプ。月経前または月経期に下腹部が張って痛み(膨満痛)、押すと痛む(拒按)。経血量は少なく経行は滞りがちで、経血色は暗紫色、血塊を伴う。血塊排出後に疼痛がやや軽減。月経前に乳房脹痛、胸脇部不快、イライラなど気滞症状を伴う。

寒凝血瘀

主な症状: 寒邪や陽虚による胞宮寒証。下腹部が冷えて痛み、温めると軽減(得熱痛減)。月経遅延傾向、経血量少なく暗紅または紫黒で血塊を伴う。顔色蒼白、四肢冷え。

湿熱下注

主な症状: 下焦湿熱による灼熱痛、腹部拒按。腰部に波及する痛み。経血は暗紅で粘稠、血塊・膿様粘液を伴う。黄色で粘稠かつ臭気のある帯下、午後の微熱、大便粘滞、小便短赤。

気虚血瘀

主な症状: 慢性疲労や病後・産後の気虚に瘀血が併発することで生じやすい。月経痛は経期後半~経後の鈍痛で喜按。経血量少または淡色、血塊あり。顔色萎黄または蒼白、息切れ、倦怠感、食欲不振。

腎虚

主な症状: 腎精不足や加齢、久病による傷腎により生じる。月経後半~経後の痛み、腰酸痛。経血は淡暗で量少、質は薄い。めまい、耳鳴、疲労、不眠、健忘、顔色晦暗(かいあん)などを伴う。

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